例えば、世界選手権で戦うとする。
各国の選手が自国の製品で戦えたとしたら、かっこいい。
評価されるかどうかよりも、それこそが理想の戦いだと思う。
その葛藤が海外メーカーからスポンサードを受けてきて常にあった。
自分には日本最高メーカーからのスポンサードは取れなかった。
素晴らしい選手たち、素晴らしい製品で溢れている日本。
そんな自分を認めてくれた海外メーカーには心から感謝している。
移住も勧められたが、当時は保守的すぎてなかなか動けず。
ただ、自分は海外で通用するという考えが頭を離れず、
ちょっとマレーシアに住んでみたらすっかりはまってしまう。
しかしここには何もない。何かしなきゃ始まらない。あてもない。
そこで活動範囲をマレーシアから東南アジアへと広げてみる。
インドネシアにはメーカーがたくさんあり、モチベーションがすごい。
熱すぎて大会中に乱闘がおこるなんてこともある。
わざと同じ日程にイベントをぶつけ、ライダーやお客を奪い合う。
ライダーへのサポートも各社どちらが優れているかを見せつける。
子供でもスポンサーがつく。とにもかくにも心も金も動きがある。
強い魅力を感じ、インドネシアのメーカーと組むことにする。
シグネチャーフレームを含め、サンプル段階までは進んでいた。
…ここで流れが変わる。
マレーシアの某社からオファー「ともにオリジナルをつくろう」
ここも戦場になってきた。
答えは「Yes」
全てが0に戻ったが、これは0じゃない。ここにいる意味がある。
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